Siemensの設計初期段階におけるシミュレーションの採用

Siemens Power Generation 社

英国のNewcastle にあるParsons Power Generation Systems 社の工学・製造・サービス部門がSiemens Power Generation 社に吸収合併されたことにより、同社の主要ビジネス戦略は、タービン発電機全体の製造からタービン部品の設計改良とそのサービスへと変化しました。そして、この新しい方向性への転換は、同時に新たな設計理念への移行にもつながりました。というのも、熾烈を極める世界のエネルギー産業において、同社がトップクラスを維持するためには、設計段階における変革が必要だったからです。

Siemens Power Generation 社の設計部長であるRichard Goodfellow 氏の談:「今やSiemens Power Generation は顧客に対して早期に結果を提示しなければならないというプレッシャーを常に感じています。私たちは世界のエネルギー産業のリーディングカンパニーと取引きを行っており、彼らの発電所の生産性を上げることに日々取組んでいます。それは、各工場でタービン発電機の全てのラインから単品や複数のタービンシリンダーを取り替えるという作業なのです。もともと我々の設計開発環境としては、有限要素法による解析(FEA )を詳細に行うことが基本であり、そのソフトウェアとしてANSYS /Multiphysics を使用してきました。しかし、事業内容を変更した今となっては私たちにそのような詳細な解析を実施する時間や必要性が常にあるわけではありません。何故なら、タービン工場を一新させるための時間は非常に限られており、このような競争市場においては、我々が常に優位に立っているためには時間の短縮が必須となるからです。」

「ですから、我々の新しい製品戦略は新しい設計理念を必要とし始めており、具体的に言うと当時採用していた3 次元CAD “Pro/ENGINEER ”で作成したモデルをそのまま使用して即座に解析を実行できるようなツールを探していたのです。それは、設計初期に即座に結果を出し、しかも顧客を満足させるだけの信頼性を併せ持つ解析ツールでなくてはなりませんでした。我々が扱う製品は、試作品を使った実験ではコストが非常にかかります。ですから、設計変更をしたとしても実験は1 度しか行えません。当然失敗などは許されないのです。その頃、以前から使用していたANSYS のおかげで、ANSYS 社との関係も既に8 年以上に渡っていました。普段、我々はANSYS の最新機能などを調査するためにANSYS 社と情報交換を行うようにしていますが、ちょうどそのときに、ANSYS 社の新たな製品“DesignSpace ”に出会ったのです。」

「我々は、DesignSpace がPro/ENGINEER と優れた互換性を持っていることをすぐに理解しました。DesignSpace は、従来CAD で作成したモデルを別のソフトウェアに受け渡す際にしばしば起こっていたようなインターフェイスの問題もなく、Pro/ENGINEER のデータを正確に取り込んで解析を実行しました。

我々が必要としていた解析の大部分はタービンのケーシングの応力解析や熱解析です。DesignSpane が導き出した結果は我々だけでなく顧客の要求を十分満たすだけの信頼性がありました。また、解析作業自体もDesignSpace は効果的でした。DesignSpace は境界条件の定義が非常に簡単で、荷重や圧力の設定が従来の解析ソフトウェアに比べ直感的に行えます。定義したい領域をマウスでピックし、荷重値を入力する、すると解が出てくるといった流れで完了してしまうわけですから。つまり作業のスピードアップにも繋がるわけです。」

DesignSpace がSiemens Power Generation で有効活用されている一つの事例として、Far Eastern 市場におけるタービンモジュールの代替品“125- MW HP/IP ”(高圧力/中間圧力を結合する)の設計が挙げられます。

「その設計はまず、2 次元CAD でモデルを描くことから始まりました。そしてその2 次元図面からPro/ENGINEER を使用して3 次元ソリッドモデルを作成し、解析を実行するためにDesignSpace に受け渡しました。それから我々はこのタービンのケーシングの解析に集中しました。というのも130 バールの高圧力、535 度の高温に耐えられる圧力容器を作成するという難題であったからです。解析が一旦完了すると、さらに最適な設計を導くために3 次元CAD モデルを変更し再度解析を行いました。このような作業は以前であれば数週間かかっていたところですが、DesignSpace を導入後数日で実施できるようになっていました。こうやって全ての作業が完了すると、製造部門に対して製造用の図面を渡すだけで済んだわけです。このケースでは、お客様は結果にとても満足して下さいました。私たちが採用したDesignSpace が、既にSiemens Power Generation にとって、激しい競争社会においてトップを維持できるための一つの重要なファクターとなっています。今やどの産業においても、まさに「時は金なり」なのではないでしょうか。」


タービンのケーシングモデル

本文はANSYS Solution Volume 2 Number 4 に掲載されております"Up- Front Simulation at Siemens"を転載したものです。

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