MEMSフィルタの開発にANSYS/Multiphysicsによる連成解析機能を活用

ミシガン大学電気工学 コンピュータサイエンス科

低VHF 域での周波数(具体的には35MHz )のためのMEMS (Micro-electro- mechanical )帯域フィルタは0.2%以下の帯域幅および2dB 以下のそう入損で動作し、そのパフォーマンスは場合によってはワイヤレストランシーバで用いられているオフチップの水晶フィルタやSAW フィルタを凌ぎます。IC 製造技術との整合性により、MEMS フィルタはオフチップのSAW フィルタや水晶フィルタをオンチップで置き換える可能性を持ち、ワイヤレストランシーバの小型化や省電力化をもたらし、シングルチップによる実現のお膳立となるでしょう。しかしながら、これを商業化するためにはMEMS フィルタの動作周波数を拡張する必要があります。ミシガン大学電気工学/コンピュータサイエンス科の研究者は、通信機器での用途を目的に開発した可変かつ 双極のMEMS フィルタを50- 68MHz の帯域で2 %以下の帯域幅、9dB 以下のそう入損で動作させました。68MHz は、MEMS 双極フィルタにより実現された最高周波数を意味します。この動作は、寸法のスケーリングと以下のキーとなる設計特性の組み合わせで実現できました。(1) 共振器のQ ファクタを向上し損失を低減化するためにデバイスが局所的に焼きなまされる位置に電極を配置する。(2)さらに、入出力の傍らに電極を配置し電圧を調整制御することで微細構造における製造上のばらつきに対して個々の共振器の振動数を補正する。図1 に示すように、双極フィルタは同一形状をなす(すなわち共振振動数が等しい)2つの多結晶シリコン(ポリシリコン)製共振器を備えており、これら共振器の 速度が低い個所に接続された曲げモードを持つビームで結合されています。共振器の各々の底面には三つの電極が配置されています。一つめは入力と出力をカッ プリングするため、残りの二つは電圧制御により振動数を調整するために対称に配置されています。さらに、共振器のアンカーにも電極が配置されており、フィ ルタにおける局所的な焼きなましを可能にします。


図1.68MHzバネ結合MEMS フィルタの電子顕微鏡写真

焼きなましは抗汚染のためのキーとなる方法であり、理想的でない真空環境下でのファイルタの使用前(時に使用中)に用いられます。

フィルタを動作させるために、構造に直流電圧がバイアスされ交流入力信号が入力電極に印加されます。共振振動数がフィルタの通過帯域に収まると構造全体が振動し、その振動数で出力レジスタを通して出力電圧が発生します。入力における電気的信号は機械的信号に変換され、機械的領域で進行し、出力において電気的信号に再度変換され、その後の電気的ステージに引き継がれます。


図2.ANSYSにより解析された50MHz フィルタの温度分布

 


図3.50MHzMEMS 共振器の周波数特性(計測値)

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