自動車部品の安全性試験

LUK GmbH & Co.,

計算された快適さ

消費者は、より静かで、より快適で、より安全で、より経済的な車を求めています。しかし、これらの要件を満たすのは簡単なことではありません。そのため、自動車メーカーは重要構造部材に関する正確で高度な計算を必要とします。初めて自動車用円板ばねを製作したLUK社(旧Hausermann社;ドイツのBuhl)は、自動車工学において先駆的役割を演じ続けています。同社は1985年に最初の双対フライホイールを開発し、1994年に最初の自動調整円板ばねクラッチを開発しました。今日、LUK社は自動車産業全体に対する世界有数の供給業者であり、世界中にオフィスと製造工場を配し、毎年1,000万個の乗用車用クラッチと200万個の自動変速装置用ねじれショックアブソーバを製造しています。

最適精度によるシミュレーションテスト

LUK社の技術者たちは、部品の安全性を保証するための疲労試験に、ANSYSを使用しています。また、製造前に画面上で製品の性能をシミュレートする際にもANSYSを使用しています。LUK社の特定部門にANSYSが最初に導入されたとき、有限要素法解析の使用は、設計/製造過程をとおして技術者たちにとって全く新しい方法でした。ドイツでは、6人の解析技術者が個々の製品事業部の支援スタッフとして働いています。米国には、さらに2人の有限要素法専門家がいます。

5つでなく1つのプロトタイプ

有限要素法は、従来の解析手法では解けない極端な非線形問題である力の変位曲線を計算したことにより、1991年に躍進を遂げました。それまでLUK社の技術者たちは、非常に費用がかかる試作実験に頼っていました。少なくとも4〜5つの試作品が実験のために製作されていました。今日では、高度な計算手法により、ばねの挙動に関して後の測定値とほとんど違わないような正確なデータが得られるため、一般に試作実験は1度、多くてもせいぜい2度です。試作実験にかかるコストは、1度につき約$3,500かかるのです。

しかし、コスト削減のみがANSYSを使用する理由ではありません。新製品開発において、シミュレーションが、ますます大きな役割を担うようになっているからです。LUK社の有限要素法グループの主任Martin Schindler氏は次のように語っています。「計算した部品には耐久試験を行っています。そして、無数の例において、解析計算と試験の相関により、有限要素法の信頼性が実証されています。」

既存のノウハウの最適利用

設計および製造部門との最初の協議は製品開発の開始時に行われます。その際、顧客の要件は、CADシステムから得られたIGESデータとして提示されます。この段階で、どのパーツとアセンブリーが重要か、およびどこで詳しい解析の使用を推奨すべきかに関する決定がなされます。次のステップは、ANSYSによるコンポーネントのモデル化です。長年の経験により、LUK社の技術者たちは、たとえば、どこで3次元モデルの作成(または設計からの採用)が適切で、どこで2次元断面に基づく計算が適切かよく知っています。

モデルのジオメトリーを半分にすることにより、たとえば、演算時間を1/4にでき、多くの場合、軸対称モデルの計算を用いて3次元の問題を2次元問題に変換することが可能になります。解析が終わると、結果が評価されます。ここでも、最適な設計目標を目指して解析者が設計者と協力します。両者はチームとして、生産に最終的な影響を及ぼす可能性のある問題を検討します。チームは、材料の変更や肉厚の差が製品の性能および製造原価に与えるかも知れない影響などを評価します。最先端技術の導入、設計/製造過程を通しての協力、および開発過程早期における工学的問題の解決により、顧客の仕様を満たすように改良された新車が組立ラインから登場してくるのです。

設計への計算の統合 - 専門家による支援

長年にわたり、業界の専門家とプレス関係者は解析を設計に統合することの利点を論じてきました。LUK社においても、これは重要なテーマですが、この戦略への移行は単純ではありません。もちろん、専門家の知識なしで自動メッシュ生成により設計最適化のできる単純な作業もあります。Schindler氏は次のように報告しています。「弊社ではモデリングを単純化するために自らが問題定義を行うANSYSマクロを用いたこともありました。たとえば、円板ばねを開発する際に、設計者は少数のパラメーターを入力しさすればよく、メッシュ生成、解析、および計算はシステムが行ってくれます。このようにして、設計者は特定の専門知識がなくても、FE(有限要素)計算を行うことができます。」

線形解析計算の場合、将来はFEソリューションがCADアプリケーションに直接統合されるようになるでしょう。すでにANSYS社は複数の異なるCADシステムのために、このような統合化版を提供しています。しかし、LUK社では、このような解析の適用可能性は限定されています。一般に、タスクが非常に複雑で、境界条件の定義が困難であり、高度な自動化のためには具体的なメッシュ生成が非常に重要なので、満足の行く方法を簡単に見出すことはなかなか実現できません。Schindler氏は次のように付け加えています。「どの要素から、より効果的な結果が得られるか判断する上で、実際に多くの専門的な知識が用いられています。当初は自動ネットワークに頼っていた場合でも、計算結果と実際のコンポーネントの挙動との間の食違いを避けようとすると、精緻化および追跡調査に相当な出費を要します。」

必要最大限のコンピューター能力

過度な計算を要する解析には、大容量のハードウェアが必要です。したがって、LUK社は、128MBのRAMと5GBのハード・ドライブを装備したSilicon Graphics (SGI) 社製Power Indigoを4台所有し、さらに2台のR8000プロセッサ、512MBのRAM、および14GBのハード・ドライブを装備したSGI Power Challengeを1台所有しています。最新のハードウェア・オプションを用いて初めて、最良のソフトウェア・ソリューションを生産的に使用することができます。

精密解析

LUK社は、ANSYSに加え、特殊な問題の解析に他のシステムもいくつか使用しています。Schindler氏は次のように付け加えています。「弊社では90%のタスクにANSYSを使っています。ANSYSソフトウェアは、モデリング、計算、およびシミュレーションのためのオプションを持つ自己完結型パッケージであり、非常に高い品質を持っています。さらに、Basicに似たマクロ言語のおかげで、非常に能率的なアプリケーションを用いて特定のタスクを自動化できるため、もっと困難なタスクに時間をまわすことが可能になります。」このようなマクロを作成する際、LUK社はCAD-FEM社(ドイツのGrafing)のスタッフに頼ることがあります。CAD-FEM社はドイツにおけるANSYS社の販売代理店であり、シミュレーションおよび解析の分野におけるサービス供給業者でもあります。Buhlのチームは、さらに、定期的に開催されるCAD-FEM社後援のユーザー会議やワークショップにも参加しています。

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