長期に渡る疲労寿命の予測

強風や過酷な天候に対する風力タービンの20年以上の耐久性を有限要素解析で検証

ジャーマンロイド風力エネルギー社( Germanischer - Lloyd Windenergie GmbH、以下、GL-Windと略記)はドイツにおける国際的な審査および検定機関であるドイツ船級協会(Germanischer Lioyd)の子会社であり、風力タービンの検証において世界的なリーディングカンパニーです。同社は、ドイツ、デンマークおよびオランダを含め国際的規制や各国の規格に従い、タービンを検証する機関と認定されています。検証手順は絶え間なく改善されており、シミュレーションテクノロジーを用いることで精度と効率の両面における進歩が実現されています。欧州連合再生案は、2010年までに欧州全域における風力発電を24,000メガワットから64,000メガワットへ増加させることを目指しています。さらに、欧州連合に属する各国についてもそれぞれ個々の目標を設定しています。例えば、ドイツは電力需要をまかなうために新たに5,000基の5メガワット級海上風力タービンを2025年までに増設することを計画しています。
認可を得るために、製造業者は過酷な環境条件のもとでも20年以上に渡り信頼性と安全性を保持しつつ運転可能な風力タービンを設計しなければなりません。タービンに働く重要な荷重としては主に風の速度と方向の変動による荷重や、運転開始時および停止時における荷重があります。これらの荷重は、運用期間内で疲労耐久性を保持するように設計しなければならないロータハブのような内部コンポーネントに高レベルの応力を発生させます。
過去においては、不規則な間隔で構造物に働く予測不可能な力、多軸方向に働く力の相関、異なる荷重間での位相関係などが十分に考慮されない計算に基づき疲労寿命が評価されていました。このような簡略化では平均応力を不正確に予測してしまいます。そのため、タービンの安全運転を確保する唯一の手段は過剰設計を行うことであったため、建造費の増加や運転効率の低下をもたらしていました。さらに、計算は構造物の特定部分に関してのみ実施されており、このことはエンジニアが構造全体を把握することを制限し潜在する問題箇所を見逃す危険性を増大させていたわけです。
現在、GL-Windは構造解析ソフトウェアANSYSと疲労耐久ソフトウェアLMS FALANCS を用いることで、より高精度の検証解析に到達できました。タービンの設計仕様と設置場所における過去の天候情報に基づき、GL−WindはANSYSモデルに内部荷重を負荷し時刻歴領域での解析を実施します。次に、20年以上の期間で予測される事象のシミュレーションに基づきコンポーネントの疲労寿命を決定するためにL M SFALANCSテストスケジュールを用います。シミュレーションにおいては、位相差や平均応力が明らかになると共に、材料特性データ、風速パラメータおよび材料寿命曲線に基づくひずみ曲線も明らかになります。
時刻歴解析によるアプローチは従来の計算よりも遥かに高い精度で疲労寿命を決定でき、ANSYSとLMS FALANCSは一連の必要なシミュレーションを実用的なスピードで実施しています。このようなツールの利用によって、20年間に渡り損害をもたらすような重要な事象のすべてを含み、荷重コンポーネントの位相関係や平均応力も自動的に正しく評価されています。さらに、構造全体に関して疲労破損の分布をグラフィック表示することが可能であり、エンジニアはシステム全体の応答を評
価し潜在する問題領域を直ちに特定することができるようになりました。


風カタービンのメーカーは、風力発電システムに対する需要の増加に対応するために
今後の5年間において生産レベルを2-3倍で上げるように準備しています。

本文は、デジタル化されましたANSYS Solution e-zine(www.ansyssolutions.com)の2003年1月15日付け内容における”Predicting Long-Term Fatigue Life" by Leslie Hogan(LMS INTERNATIONAL)の内容を一部再構成し転載したものです。

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