食品加工用コンベヤーシステム開発

FMC Corp.

FEAで振動コンベヤーの品質と信頼性を確保

FMC社の包装・資材管理事業部(ペンシルベニア州Homer City)は、食品加工用の振動コンベヤー・システムを開発するために、有限要素法解析ソフトウェアANSYSを使用しています。同社の装置は、キャンディー、ポップコーン、ガム・ボールからベーゲル、パスタ、フレンチ・フライまでにいたる様々な小食料品を運搬するために、世界中の食品メーカーの工場で使用されています。コンベヤー・システムは、ベーキング、冷凍、乾燥、選別、包装などが、ステンレス鋼製トレイの上で正確な流れ作業として行われるように、振動を繰り返します。

このような装置を形成するコンポーネントは、通常巨大な加速を受け、車のエンジンが100,000マイル走行して体験するサイクル数をたった数週間で経験します。1日24時間の絶え間ない加工ラインにおいて、薄い板金製パーツは、溶接部・継ぎ目の亀裂、締結具の緩みなど装置自体をガタガタにするような振動に耐えなければなりません。過度な運用はこのような故障や破損に即つながり、その場合の加工ラインの休止は1時間に$10,000の生産損失につながるため、食品工場においては装置の耐久性の向上はもっとも大きな問題です。

かっては技術者たちは、このような故障を回避しようとして、実際のラインで使われる装置の試作品を実験し、余分なリブ、ブラケットなどの支持材を装置のいたるところに追加しました。このアプローチは時間がかかるだけでなく、はなはだしい過剰設計により製造費がつり上げられ、装置が必要以上に重くなりました。

このような問題を避け、製品開発の早期に設計改善を行うために、FMC社の技術者は、振動装置の設計に有限要素法解析を徐々に利用するようになりました。ここ数年で、1992年に導入した有限要素法解析プログラムANSYSによりもたらされた技術革新−限られた線形応力解析から現在の多様な解析への発展−を我々は目にしてきました。

上級開発技師Harold Paterson氏は次のように説明しています。「ANSYSは、弊社が扱う必要のある様々な解析に関し、応力、たわみ、振動、熱、電磁気学において広範な機能を持っています。また、ANSYSは様々なCADパッケージと密接に連携され、設計作業においてPro/ENGINEER、AutoCAD、その他多くのソフトウェアを容易に使用できる柔軟性を持っています。」

Paterson氏は、ANSYSの詳しいマニュアル類だけでなく、販売代理店(ASD)によるサポートも製品を選ぶ上での要因であったと述べています。「なにか手の込んだものをモデル化しようとするとき、ソフトウェアだけでなく、私個人と私の適用業務についても良く知っている人が、まさに同じ町にいて、話ができるというのは素晴らしいことです。」

Paterson氏がANSYSを用いた最初のプロジェクトの1つは、新しい磁気駆動振動フィーダーの開発でした。まったく新しい概念に基づく振動装置であり、たわみに比例した力を供給する非線形ばねと電磁石のシステムによって動かされます。電動機および線形磁気駆動装置によるフィーダーとは異なり、このFMC社の新しい機種は、一連の異なるコンベヤー荷重に対応できるように、駆動力を自動的に調整し、定常的に1,200サイクル/分で0.25インチ (6.35mm) のストロークを行います。したがって、フィーダーは、より正確に制御され、消費電力が少なく、重量が削減されます。

しかし、この新しい機種の設計仕様は厳しいものでした。材料が正しく搬送されるためには、板金製のコンベヤー・パンは、7.5Gの加速度に耐えなければならず、なおかつ10フィート(約3m)のスパンにおいて百分の1インチ (0.245mm) 以上のたわみは許されません。また、磁気駆動装置は、ばねの固有振動数に合わせて正確に調整されていなければなりません。

新しい振動フィーダーの開発における最初のステップは、Pro/ENGINEER内での概念設計でした。作成した様々な設計案を比較検討したのちに、総合的に最良の概念を詳細に定義し、有限要素モデルの作成のために形状データをANSYSに渡しました。

ANSYSにおいて、機械全体(振動コンベヤー・パン、電磁駆動装置、および台を含む)の構造が、10,000の板シェル要素を持つモデル内に構築されました。またこの際適用した要素は、精度を高めるための中間節点を持った高次要素とされました。

設計を最適化し、モデルの挙動が許容限界内にあることを確認するために、モデルに対して一連の応力解析、たわみ解析、および周波数応答解析を行いました。この過程において様々な構造上の代替案が検討されました。また、設計の詳細を精緻化するために、80種類以上の解析が実行されました。

この詳細な解析の過程で、道路橋に似た設計の高架片持支持構造物を追加することにより、コンベヤー・パンのたわみを23/1000インチ (0.584mm) から10/1000インチ (0.245mm) に低下させることができました。構造応力を3,000psi低減させて溶接部位の疲労をなくすための支持物として、板金製パンの下側に肋材を追加しました。また、パンの側板に丸い支持チューブを差し渡すことにより、望ましくないねじり振動を低下させました。

ANSYSの利用により、パンには重い11ゲージの材料の代わりに14ゲージのステンレス鋼を使用できることが分かりました。それにより、パンの主さを220ポンド (99.8g) から140ポンド (63.5g) に減らすことができます。「これだけ重量を減らせれば、機械の設計全般が改善され、生産費が大幅に下がります。」とPaterson氏は述べます。「使用材料が減り、もっと小さな駆動システムが必要となり、コンポーネントの荷重がずっと減ります。」

設計と解析の完了後、試作品はまったく変更の必要なしに、すべての試験に合格しました。したがって、設計検証段階が6か月短縮されました。「一般に、前に発見できなかった設計問題を是正するために、3〜4の試作実験を行い、修正しなければなりません。そして土壇場になってから、あらゆる種類の取り繕いによって機械を補強しなければなりませんでした。」とPaterson氏は述べます。「設計工程初期からANSYSを使うことにより、それらすべての余分な時間と費用を回避することができました。」

Paterson氏によれば、ANSYSで最初から詳細な解析を行ったことの最大の恩恵は、完成品の持つ高い品質と信頼性です。「通常、製品が市場に出回ってから、現場で少なくとも数件の疲れ破損があります。したがって、その時点で膨大な費用を投じて補強を行うことになります。しかし、1993以来使用されている250台の振動フィーダーのうち、疲れ破損が見られたものは1つもありせん。ビジネスの観点から見れば、装置のトラブルを顧客が我慢できないような市場においてFMC社が主導的立場を維持してゆくためには、設計解析を使ってこのように高い信頼性を確保しておくことが絶対に必要です。」

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