Caterpillar Services Technology Groupの設計ステップを削減

「この画期的なツールは、商品化までの時間の短縮だけでなく、生産費と試作費の節減にも役立っています。」

CATERPILLER
Caterpillar社
開発技師Darryl Brinks

Caterpillar Service Technology Group (CSTG) は、Caterpillar社の一つの事業であり、Caterpillarの販売業者および顧客に対し、世界中で使用されているCaterpillar機器の整備や修理に必要なツールと装置を提供しています。ツールには、小型の手工具から高度な電子工具、さらには完全な変速装置やエンジン用の巨大な試験台に至るすべてが含まれています。CSTGのキャピタル&ショップセクション、つまりCaterpillar社の世界一流の重機器/ハイウエー機器事業を支援するために特殊化した機械や装置を開発しているエンジニアー、テクニシャン、および製図工で構成されるグループが、設計およびプロトタイピング業務の一環として新しいテクノロジーを実現するために、的を絞った活動を開始しました。

CSTGは、イリノイ州PeoriaのCaterpillar社本部近くにあり、厳しい安全性および性能基準(たとえば、ヨーロッパのCE認定)との合致を求められる装置の設計を数多く扱っています。装置には、単純な巻上げ装置や自動車支えスタンドから複雑な装置整備機械にいたるすべてが含まれます。上記活動の一環として、CSTGの技術者たちは、Caterpillar社の主要製品を支援するために、装置の設計およびプロトタイプを早急に作成することが期待されています。これは、所要のツールを迅速に設計し、試作し(プロトタイプの作成)、生産する必要によって推進されている実地のエンジニアリングです。活動の性質そのものが、設計をもっと速く、独立に、かつ経済的に完成するための方法を探求するようCSTGに強要します。

設計とエンジニアリングへの従来のアプローチは、この設定において適切ではありません。製品の多くは製造が複雑かつ高価であり、それらに含まれる主要要素の構造的整合性を評価する場合、CSTGの独立性と自立性を考えると、高価なUNIXワークステーションの使用または従来のモデリングと設計解析によるぜいたくな方法の使用は不可能といえます。CSTGには、実地に頼る倹約型の設計アプローチを補足するために、手頃な値段でありながら設計の適性を確認できる堅牢な開発プラットフォームが必要でした。近くのイリノイ州MossvilleにあるCaterpillar技術センターの所有する広範な有限要素法解析および物理試験の機能を使用することは、効果的ではあるが、時間がかかり、比較的高価であることが分かりました。

「このDesignSpaceは、いわば夢が実現したような感じです。有能な技術者の手に渡れば、すばらしい設計ツールになります。」 Caterpillar社、プロジェクト・エンジニアーArden Baldwin

ステップの削減

いろいろなハードウェア・システムおよびソフトウェア・パッケージを評価するにあたり、CSTGには3つの全般的な目標がありました。Caterpillar技術センター外での解析の使用を拡大すること、CSTGが最終製品の開発までに要する業務のステップを減らすこと、および、それらすべてを経済的に行うことです。

以上の要因を考えると、CSTGがIntel/Windows 95ベースのワークステーションおよびAutodesk社の3次元CADプログラムMechanical Desktopを使用していることは驚くに当たりません。このハードウェアとソフトウェアの組合せにより、CSTGは生産に値する3Dソリッド・モデルおよび図面を作成することができます。

それでも、CSTGは業務のステップを減らす方法を探す必要がありました。コンピューター・ハードウェアおよびモデリング・ソフトウェアを用いても、設計プロセスは次のような流れを持っていました。それは、概念の開発、図面の作成、試作品の作成、試験、図面の変更、試作品の再作成、試験、図面の変更、試作品の再作成、試験…と続く流れです。つまり、設計が仕様どおりに機能することを確認するために、しばしば試作品/試験のサイクル中に何回かの反復が生じました。このようなステップの削減という目標から出発してCSTGは、伝統的な有限要素法解析 (FEA) をリードするANSYS社の提供する設計者向け解析ソフトウェアDesignSpace for Mechanical Desktopに行き着きました。

DesignSpaceを選んだ理由は、それが手頃な値段で購入できたこと、設計パフォーマンス・データにアクセス可能だったこと、ソリッドモデリング用のMechanical Desktopに直接プラグ・インして稼動できたこと、従来のFEAと異なり習得が非常に簡単であったことです。CSTGはDesignSpaceのテクノロジーを実現でき、その結果、設計の挙動をコンピューターで迅速にシミュレートして評価でき、必要な変更を試作品の作成前に行うことができるようになり、試作品作成/試験サイクルを繰り返す必要がなくなりました。今日では、CSTGの設計プロセスは、むしろ次のような流れになりました。それは、概念の開発、図面の作成、DesignSpaceの実行、図面の変更、試作品の作成、試験、図面の変更、そして市場における発売です。

DesignSpaceはCSTGの業務にとってうってつけのパッケージです。DesignSpaceを使い慣れたMechanical Desktop環境と統合すれば、技術者たちは、本格的なFEAプログラムの学習と使用に途方もない時間を費やす代わりに、設計パフォーマンスを現実的で実用的な適用業務としてチェックすることができます。

ホース組立機のチェック

CSTGは過去数か月の間にDesignSpaceをいくつかのプロジェクトに使用しました。最も注目に値するのはホース組立機HAMの新しい設計です。HAMは、Caterpillar土工機械の油圧系統を接続するホースの端部に管継手や継手を取り付けるために使用されます。Caterpillar土工機械の現場保守のために、ホース組立機を建築現場に輸送するトラックさえ存在します。油圧ホースに永久継手を圧着したり、再使用可能な管継手を組み付けたりするには、相当な加圧力が必要です。

前のHAMはもう古くなり、ホースに組み付ける継手および管継手のタイプにより、2つの別々の設計が必要でした。両設計とも10,000psiの油圧システムに依存しており、そのために余分なコストがかかり、特別な注意が必要でした。CSTGの技術者たちは、機能を併せ持ち、強力で、費用効果が高く、より安全で、よりユーザー・フレンドリーなHAMを設計するという目標を持っていました。より安全で(約3,500psi)、より使いやすく、より広い作業スペースを持ち、両機能を併せ持つ2シリンダー設計の概念が開発されました。

CSTGは新しい概念設計の試作品を作成する代わりに、DesignSpaceを用いて、新設計の主要構造要素のパフォーマンスを評価しました。その結果、当初の設計は不充分であり、2つのシリンダー・ロッドの間に応力の高い領域があるために、所要の安全性および剛性を満たさないことが分かりました。この情報に基づいて、新しい材料を選択し、形状を変更しました。初めに検討した強度の低い鋼は、強度の高い低合金鋼で置き換えました。あとは形状をわずかに変更すれば要件が満たされることが、DesignSpaceでの評価から分かっていました。DesignSpaceのおかげで、試作品を作成することなしに、設計における主要な決定、つまり必要な材料タイプの決定を行うことができました。この種の設計パフォーマンス・データが得られることが、CSTGが業務のステップを削減する上で原動力の1つとなっています。

この新しい設計プロセスの一環として生まれた他の製品設計には、強力巻上げ装置および25トン自動車支えスタンドがあります。巻上げ装置は、Caterpillar社で分解・修理作業中に、変速装置、エンジン、および他の様々な大型装置部品を持ち上げるために使用されています。自動車支えスタンドは、天井からではなく床から動作する巻上げ装置であり、修理中に自動車を安全に支えます。自動車支えスタンドは、サービス要員に安全な作業環境を提供するだけでなく、世界中の厳しい規格を満たさなければなりません。

1996年7月にDesignSpaceの使用を開始して以来、CSTGは25のDesignSpace解析を完了しました。これらのシミュレーションはすべて、128MBのRAMを搭載した、Gateway 2000 G6-200 (200MHz Pentium) コンピューターで実行しました。

正確な結果の確認

CSTGの業務の性質上、キャピタル&ショップセクションの置かれている開発研究室には、様々な物理試験/試作用装置が装備されています。必要な安全係数が満たされていることを確認するために、プロトタイプの荷重条件を再現および誇張表現するために、油圧プレスその他の装置が使用されます。PCベースのサービス・ツールであるCaterpillar DataView Systemには、感圧トランスデューサーおよび運動測定トランスデューサーからデータを収集するために、最高で6つのチャネルが付いています。このシステムは、データを記録し、圧力やトン数と変位の関係など様々なデータを出力し、リアルタイムの解析を可能にし、さらに結果を文書化します。

DesignSpaceソフトウェアを導入するにあたり、CSTGは、DesignSpaceの演算結果が物理試験の結果に照らして正確であることを確認したいと思いました。そこで、DesignSpaceの結果が正確なことを立証するために、HAMも含めた数個の試作品に対して物理試験を実施しました。

25トン自動車支えスタンドに関しては、DesignSpaceは設計された構造が75トンの荷重で破損することを予測しました。物理試験において、設計された構造は75トンではなく100トンの荷重で破損しました。CSTGは破損した材料のサンプルを物理分析に出し、この食違いを調査しました。調査の結果、最初にDesignSpaceのシミュレーションで使用した材料の特性が実際と異なったこと、つまり実際には材料の強度がずっと大きかったことが分かりました。その後、材料分析で示された材料特性を用いてDesignSpace解析を行ったところ、ソフトウェアは確かに、荷重が100トンに達したところで破損が起こることを予測しました。

DesignSpaceの結果を物理試験の結果と比較すると、平均して約5%〜10%の差があります。ある種の設計では、DesignSpaceの精度は非常に高く、差はたった3%でした。以前に使用していた手作業の計算に比べ、DesignSpaceでは設計パフォーマンスの正確な評価が可能であり、CSTGのニーズを完全に満たしています。

経営目的の達成

DesignSpaceを用いることにより、CSTGは下記の主要な経営目的を達成することができました。

  • 業務ステップおよびリード・タイムの削減。
  • Caterpillar技術センター外での解析の使用拡大。
  • コストの削減。

CSTGがDesignSpaceの導入で非常に大きな成功を収めたので、開発研究室はCaterpillarロジスティックス&製品サービス事業部(CSTGもここに所属)の他のグループからあふれてきた業務も処理しています。DesignSpaceを用いて新しい設計を実行し、即座にパフォーマンス・レポートを作成し、設計者に送付しています。

CSTGの上級開発技師Darryl Brincks氏は次のように述べています。「ひとたび私たちの話しが外に知れると、仕事の依頼が入ってくるようになりました。」

今日の設計機関が置かれている競争圧力からして、設計プロセスの早期に有用なデータを提供する、費用効果が高く自動化されたエンジニアリング・ツールが必要です。CSTGでは、DesignSpaceソフトウェアの導入と技術者たちに対する指導により、設計段階で設計に関する方向性と洞察が得られるようになり、その結果として業務ステップの削減と費用の節約が達成され、今日の競争環境において成功する上で必要な明敏さが養われています。

Caterpillar社のプロジェクト・エンジニアーArden Baldwin氏は次のように述べています。「このDesignSpaceは、いわば夢が実現したような感じです。有能な技術者の手に渡れば、すばらしい設計ツールになります。」

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