20年もの耐久性を持つ風力タービンの設計にANSYS/Multiphysicsが貢献

Bennett Associates社

Robert McAlpine グループのメンバーであるRenewable Energy Systems (以下、RESと略)は、英国で製造されたものとして最新かつ最新鋭の風力タービンを北アイルランドのCo.Antrim における施設に設置しました。この1メガワット級のタービンは、625世帯にクリーンな電力を安定供給し、有害かつ温暖化を招くガスの発生を2,300トンも省きます。
このプロジェクトは通商産業省と欧州連合のTHERMIEプログラムからの支援を受けています。デモ機は、イースタン発電から発注されましたが、これは2010年までに発電量の10%を再利用可能資源から得るという同社の長期計画の第1ステップです。

プロジェクトはチームワークの賜物であり、設置とシステム制御を担当するRESは、設計および製造をPeter Brotherhood 社の部門であるMachtech 社に委ねました。Machtech 社は、構造および機械設計を行うためにBennett Associates 社の設計コンサルティングのサービスを利用しました。ハブとナセルの製造・組み立てに引き続き、Machtech 社は45メートルのタービン塔を建造し直径52メートルのローターを備え付けました。

同プロジェクトでは、市場へ送り出すための期間を短縮し且つシステム重量を最小に保つというような、設計上のさまざまな問題提起がなされました。しかしながら、Bennett Associates 社におけるプロジェクトマネージャーであるRichard Burgess 氏によると、設置後20年間は健全でなければならないこのような重要なプロジェクトに対して実機によるプロトタイプを作成することができないということが最大のチャレンジだったそうです。
Burgess 氏の談:「風力タービンにおいて最も重要なパーツはハブ・ケーシングであり、ここではブレードによって風力が発電に必要なトルクに変換されます。設計の主目的はブレードを適切に保持することにあります。タービンのピッチは調節可能ですが、その間隔も可変で、これらを一体制御可能で保守が容易な機構でなければいけません。」

Bennett Associates 社は、想定される運転条件におけるハブの静的応力および疲労寿命を評価するための有限要素法解析を実施するためにANSYS/Mutliphysics を用いました。第1ステップでは解析モデルに静的荷重を与え、結果として得られた応力が許容値に対して評価されました。第2ステップでは、疲労解析のための過渡的アプローチが用いられました。
Burgess 氏の談:「解析のために、ハブとシャフトをANSYS でモデル化しました。これらの間で二箇所のインターフェース領域が非常に重要だからです。3枚のブレードは3個のベアリングによってシャフトに結合されていて、ブレードへの荷重はこのベアリングに伝達されます。ハブとシャフトをモデル化することで荷重の伝達を正確に扱うことができます。3枚のブレードの各々が、並進方向3成分の力と3成分のモーメントを持っており、これら18成分の入力荷重がベアリングに分布荷重として与えられました。」

RES から要請された一連の準静的荷重ケースに関してBennettAssociates 社はANSYS で解析し、結果を設計プロセスへフィードバックすることで最適な設計を確立することができました。

疲労解析によって、エンジニアはタービンの破壊を防ぐことができます。コンポーネントへの荷重は変化する風の条件に伴い常に変化し、タービンが破壊する可能性はさらに高まります。
「設計の仕様は20年もの期間に耐えるタービンを製造することでした。疲労による損傷は潜在的に大問題です。18成分の異なる入力荷重による結果の間にはほとんど関連性はありません。ある結果が最大値を示し、別の結果が零を示し、他の16の結果が中間値を示すことがあるのです。」と Burgess 氏は述べています。
Bennett社の採用した解決策は、ANSYS によりハブをモデル化し、18通りの荷重条件を単位荷重値で解析しました。各々のブレードに1,000N 及び1,000NMの単位荷重値を与え18条件に関して有限要素法解析を実施したのでした。
Burgess 氏の談:「単位荷重値による結果を重ね合わせることで荷重ケースの任意の組み合わせに関して結果を得ることができるのです。社内で作製したソフトウェアを用い、ANSYS からの18通りの結果を時刻歴入力と組み合わせ、ケーシング表面上において選定した100点とランダムに抽出された226点に関して評価しました。ANSYSのフレキシビリティによって結果を容易に取り出し、社内製ソフトウェアへ取り込むことができたのです。」

1998年9月に設置されて以来、RES風力タービンは1MWを発電し続けており、イースタン電力グループへ引き渡される予定です。同プロジェクトは、2010年までに再利用可能資源により発電量の10%をまかなうというイースタン電力の目標に向けての確実に大きなステップであり風力発電市場への英国の参入を象徴するものです。しかしながら、設計が英国の厳しい気候に耐えるであろうことを実証するのはまさに20年という歳月のみでしょう。


設計者はANSYS ソフトウェアを用いることでタービンの20年間の耐久性を保証しました。
これはタービンのハブ・ケーシングに関する解析結果です。

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