解析事例
粘弾性樹脂材料のプレス成形解析
こんな方におすすめ
- 温度の変化がある中での粘弾性材料の変形を予測したい。
- 応力緩和を考慮した材料の解析をしたい。
超弾性と粘弾性を組み合わせて定義しています。超弾性だけでは時間による影響は考慮されませんが、粘弾性を合わせて定義することで、時間による影響「応力緩和現象」を表現できます。
※応力緩和=一定の変位量で保持すると、時間が経過するにつれ応力値が徐々に減少する挙動。
温度が高くなるほど粘弾性の影響は大きくなり、変形後すぐに応力緩和します。温度が低くなると粘弾性の影響は小さくなり、除荷しても応力が緩和したままとなり、元の形状に戻りづらくなります。
この解析では高い温度でプレスを行い、保持中に温度を低下させています。プレス時(高温)にはすばやく応力が緩和し変形しますが、プレス後(低温)は変形が残ったままとなります。
Ansysでは粘弾性特性は「Prony級数」で表し、温度による粘弾性特性の変化はシフト関数で表します。ここでは代表的なシフト関数であるWLF式を使用しています。
解析モデル
解析結果
図.相当応力アニメーション
(3次元に拡張表示)
図.温度アニメーション
(3次元に拡張表示)
図.(参考)超弾性のみ(粘弾性なし)の相当応力アニメーション
(3次元に拡張表示)
※応力緩和しないため除荷後に元の形状に戻る。