解析事例
インダクタンス主体のコモンモードフィルタ(CMF)解析事例
こんな方におすすめ
- コモンモードフィルタ設計者でまた歩留りや最適サイズを事前に把握されたいコンポーネント設計者
解析概要
高速信号回路設計に於いて、EMIノイズの発生源となるコモンモード成分を抑えるために、コモンモードフィルタがよく用いられます。本事例ではトロイダルコアにペア線を巻いたコモンモードフィルタのSパラメータ伝達特性を求め、コイル近傍に発生する磁界強度分布を表示します。
図1はトロイダルコアにペア線を3回巻きつけたコモンモードフィルタの全体図、上面図、側面図を示したものです。
図2はトロイダルコアにペア線を6回巻きつけたコモンモードフィルタの全体図、上面図、側面図を示したものです。
図3は差動信号成分および同相信号成分のSパラメータ伝達特性を示したものです。
巻き数を増やすとカットオフ周波数が低域にシフトしているのが確認できます。
図4は巻き数3回、f=100MHzの時の差動信号および同相信号駆動時の磁界強度(H)分布を示したものです。同相信号駆動時に発生する磁界強度は差動信号駆動時に比べて極めて小さく、コイルを流れる電流が抑えられているのが判ります。
解析モデル
図1 巻き数3回の解析モデル
図2 巻き数6回の解析モデル
解析結果
図3 差動信号成分および同相信号成分のSパラメータ伝達特性
図4 差動信号および同相信号駆動時の磁界強度(H)分布
解析条件:f=100MHz, Y-Z平面上の |H| 分布表示